ありがとうでは伝え切れないありがとう。

俺は最近、自分の手を見てニヤニヤしている。
いや、正しくは『指』を見てニヤニヤしているのだが。

こんな事を書くと、一体何事かと思われそうなので言っておこう。

俺が見て喜んでいるのは『ペンだこ』だ。
指に出来た『ペンだこ』を見て、一人でニヤニヤしている。
…って、理由を言ったところで、やっぱり何事かと思われそうだな(笑)。

俺は自分のオリジナルの漫画を掲載しているサイト
『まんが松』 を開設してからというもの、
ほぼ毎日、狂ったように漫画ばかり描いている。
ペンだこが出来るほど『漫画を描く事が出来ている』という、
今の状況がとにかく嬉しいのだ。

7年前、俺はとあるゲームのキャラクターで1本の漫画を描いた後、
一切漫画を描くという事をやめてしまった。
正しくは、『やめてしまった』のではなく
『描けなくなってしまった』のだ。
漫画に限らず『絵』という物を、一切描けなくなった。

別にプロで活動していた訳でもないし、
描かなくてはならない理由もない。
俺が漫画や絵を描けなくなった所で、
誰も困らないし、何も変わらないのだ。
でも、俺自身が辛かった。

描かなくなった(描けなくなった)理由は分かっていた。

俺は子供の頃から漫画を描くようになってからずっと、
いわゆる『二次創作』的な事ばかり行なっていた。

好きな漫画やアニメ、ゲームのキャラクターでばかり
漫画を描いたり、物語を考えたりしていた。
時々、自分でちょっとしたキャラクターを考えたりしていた事もあったが、
漫画や物語を作る所までは至らず、
『それ』は俺の頭の中だけで思い浮かんでは消えていった。

ある日、ふと思った。
『俺には俺の作品が無い。』
…愕然とした。

誤解を招くといけないので、これだけはくれぐれも言っておきたい。
俺は決して、二次創作がよくないと言っている訳ではないし、
それを否定している訳でもない。
むしろ、二次創作というものは、それをきっかけに
新しい才能が開花するきっかけにもなる、
いわば『作家予備軍のゆりかご』であると思っている。

ただ、例えば俺が何かのキャラクターを使って漫画を描いて
それを見てくれた人がその作品をほめてくれたとしよう。
だけど、その賞賛は俺の漫画に向けられたものなのか?
あるいは、その既存の『キャラクター』に向けられたものなのか?
どのみち、既存のキャラクターを使って描いた以上
何をどう言おうと『100パーセント自分の作品』では無くなっている。
俺はそれが嫌だった。

『100パーセント自分の物を創りたい。』

そう強く思うようになってからは、
たとえどんなに既存のキャラクターに惚れ込んで、
それを描きたいと思っても、一切描かないようにした。

でも、自分のオリジナルの何かを描こうと思っても、
作品としては全くまとまらず、何より手が動いてくれない。
そうこうして自身の中で日々葛藤しているうちに、
あっという間に7年という歳月が経ってしまった。

俺は漫画や絵の道具を全部捨てようと思った。

先にも言ったように、俺が漫画や絵を描かなくても(描けなくても)、
誰も困らないし、何も変わらない。
だからどうしたって話。

でも、俺から『漫画や絵を描く』って事を取ってしまったら、
何も残らないと思った。
俺はとにかく、自分の漫画が描きたかった。
どんなにくだらなくてもつまらなくても、
それでも自分のオリジナルの漫画を描きたかった。

こんなままでは終わりにしたくない。
何も創り出せないまま、終わりにしたくない。

決断力の無い俺は、漫画や絵の道具を
いさぎよく捨てる事すら出来ずに、
きっといつか、100パーセント自分の作品が描ける日が来ると信じて
ただひたすら描かない(描けない)日々を送った。

そうこうしているうちに、以前は指に出来ていたペンだこが
全く無くなってしまった(笑)。
正直、なんだか寂しかった。
そいつはいつも俺の右手指に居てその存在をアピールしていたのに、
すっかり姿を消してしまった。
古い友人を一人失くしたような、そんな気分だった。

だから今、俺は自分のキャラクターで、自分の漫画を描けている事。
再びペンだこが出来るほど漫画を描けている事。
それが何よりも嬉しいのだ。
100パーセント俺のキャラクターの漫画だ。
全く意味の無い事に、何をそんなに命を懸けるのかと言われてもいい。
くだらないと笑われてもいい。
俺は、漫画を描けているという事が、ただひたすら嬉しいのだ。

そして、そんな自分のキャラクターを
好きだと言ってくれる人が居る事。
もう、それだけで充分です。
ほんとうにそれだけで充分です。

気持ち悪いって言われようと、変だと言われようと、
俺は自分のキャラクターを自分の家族のように思っているので、
そのキャラクターを『好きだ』って言ってもらえるのは、
どんな何よりも嬉しいです。
ほんとうに嬉しいです。

だから、そんな人たちに、俺は心の底から言いたい。
『ありがとう』って、言いたい。
俺の考えたキャラクターたちを
好きになってくれてありがとうって言いたい。
この『ありがとう』が伝われば、ほんとうに嬉しいです。

で、言い訳するわけじゃないんだけど、
そんなこんなで『サトルと微妙な仲間たち』は
絵がグダグダです。
もちろん話もグダグダだけど、
それ以上に絵もグダグダです(泣笑)。
7年間のブランクは大きくて、描かない間
何の成長も出来ませんでした。

『まんが松』開設にも、相当悩みました。
『こんな絵と話で大丈夫なのかよ、俺っ!?』みたいな。
しかし、俺は『駄作を公開する恥ずかしさ』より、
自分の中の『自己満足』の方が勝ってしまったようです(笑)。

でも、ヘタクソな絵も、くだらない話も全部ひっくるめて
それら全部が100パーセント俺の作品です。
だから、あんな作品でも、諦めずに読んで下さった方々へ伝えたい。
『ありがとう』。
ただ、それだけです。ほんとうに、ありがとう。

恐らく俺の漫画は、これから迷走を始めていきそうな感じですが(笑)
方向性がワケ分からんようになった時には、
心の中で『どこに行きたいねんっ!!』って
突っ込んでやって下さい。

こんな、行き先の分からない疾走を続ける俺ですが、
これからも『サトルと微妙な仲間たち』を
どうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。


■暦(こよみ)

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>

■プロフィール

■運営しているWeb漫画サイト

■最近の記事

■分類

■以前の記事

■ブログ内検索

■その他