それは幻覚ではなかったのか?

今回の話。
俺が最初聞いた時には、にわかには信じがたい内容だったが
どうやら本当の事らしい。
これは、俺の母親が先日目撃したという
ちょっと面白い光景の話だ。

数日前の朝。
起床した俺が朝食をとりに台所へ行くと、
母が興奮気味に話し掛けてきた。
『面白いものを見てしまった』のだと言う。

俺の母は、毎朝早く起床する。
たいてい朝の4時には起床して、掃除や洗濯
朝食の準備などを始めるのだ。
夏場などは、3時半ごろに起きて家事をこなす事も。

で、俺の暮らす町は割と田舎で
山に囲まれ、田畑が多い。
面白いのが、農家の方が設置している『無人販売所』だ。

『無人販売所』とは、小さな小屋が作られており
そこに採れたての野菜や、時には産みたて卵が並んでいる。
無人なので、料金入れにお金を入れて
商品を買って行くという原始的なシステム(笑)。

かなり良心的な無人販売所が多く、
一般のスーパーなら結構な価格がしそうな
とても大きくて新鮮な野菜を、
平均一つ100円ポッキリで売っていたりする。
早朝に農家の方が採取した新鮮野菜。
もちろん、味は格別だ。

俺の母はその『無人販売所』巡りが大好きで、
早朝からバイクに乗って、小屋を回って買い物をするのだ。
野菜を並べている農家の方と少し話をしたり、
時にはサービスをしてもらったりと
朝の『ショッピング』を楽しんでいる。

で、本題はここからだ。

朝の、バイクでの『無人販売所巡り』をしていた母。
小さな市道を走っていると、歩道沿いに何か茶色い物体が…。
『車に轢かれた小動物かな?』と目を凝らすと、
何やら『もにもに』と動いている。
しかも、その物体は妙に長〜い。

バイクで低速走行しながら更に凝視してみると、
その正体がようやく分かった。

なんとそれは、『カルガモの親子』だった。

カルガモかどうかは種類は定かではないが、とにかく『カモ』。
大きな親鴨の後ろから、5〜6羽ほどのフカフカの小鴨が
一列に並んで、一生懸命ついて行っていたのだ。

親鴨は時折背後をちらちらと見て、小鴨を気にしている様子。
小鴨は小鴨で、必死で親鴨について行こうとよちよち歩く。
もうその光景が愛らしいやらいじらしいやら、
母は胸が『ムギュンッ』となったと言う。

田舎町の早朝の、小さな市道。
走っている車もいちじるしく少ないとは言え、
こんなアスファルトの道を、それも歩道の下を歩くカモ一家。
母はとても心配になったそうだ。

周辺には確かに池や川は多いが、まさかカモが暮らしていたとは。
どこからやって来たのか。
どこを目指しているのか。
どうしてそんな所を歩いていたのか。
詳しい事は分からなかったが、
どうかそのカモ一家が目的地まで無事にたどり着けるようにと、
母は少なからず願ってしまったそうだ。

初めその話を聞いた俺は、どうしても信じられなくて
つい『幻覚じゃねぇの?』と疑ってしまった(笑)。

しかし、歳の割には母はまだまだしっかりしている。
それにその興奮っぷりと話の内容からすると、
見間違いや幻覚では無い事が見て取れた。

そうなると、俺もぜひそのカモ一家を
見てみたくなるというもの。
母がカモ一家を目撃したのとほぼ同じ時間帯である
早朝5時頃に、その目撃現場に足を運んでみた。
しかし、そのカモ一家を見る事はできなかった。
…残念だ。

この地では長く暮らしている俺たち一家だが、
アスファルトの道路を『カモの一家が一列に並んで歩く』などという
そんな光景はお目にかかった事が無い。
ぜひ見ておきたかったなぁ。

何はともあれ、そのカモ一家が無事に目的地に移動できた事を
俺も願ってやまない。

しかしあれだ。
俺の一家は、どうやら面白いものや奇妙なものを
目撃する確率が高いのだろうか?
兄貴も、俺も、妙なものや面白いものを目撃している。
できれば、楽しい物をたくさん見たいと思う俺です。

【今回の内容に関連する話】
『あれ、何だったんだ?』(いまだに謎が解けないまま)
『兄貴が空港で見たモノ』(兄貴が出張の際に見た妙なもの)
『自分を安売りしちゃイカン!』(ちゃんと言葉の意味を調べよう)
『頭上注意!』(どうしてそれが落ちてきたのか)


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